2011年度 秋山合宿報告書

日本大学山岳部

場所)北アルプス槍ヶ岳 北鎌尾根

期間)平成23年度10月21日(金)〜28日(金)

メンバー)3年CL飯田祐一郎

     2年関洸哉・横山裕

 

行動)

 

10月21日(金)入山日 晴れ後雨

 

新宿〜松本〜信濃大町〜高瀬ダム〜1510高瀬トンネル過ぎCS1

 

10月22日(土)〜雨後小雨

 

高瀬トンネル過ぎCS117201930湯俣温泉春嵐荘CS2

 

前日からの雨が止まない為、停滞する。午後から小雨に変わり始める。天気図と夕食を済ませた後行動を開始する。

 

10月23日(日)停滞 雨

 

小雨と雨の繰り返しが続くので停滞を決める。

 

10月24日(月)雨後曇り

 

湯俣温泉春嵐荘CS209000910水俣川出合吊り橋09451040中東沢10561420P2取り付きCS3

 

朝からの小雨が止んだので行動を開始する。水俣川出合吊り橋にて渡渉の準備をし、遡行開始。高巻きはせずに渡渉をしながら遡行を行う。千天出合からは高巻きせずに低い位置をトラバースする。

 

10月25日(火)停滞 雨

 

雨が止まないので停滞。

 

10月26日(水)小雨後曇り

 

P2取り付きCS306020844P209101211P412401700北鎌のコルCS4

 

心配していたP5〜P7までは特に危険な場所もなく通過。しかし、事前に用意していたルート図とは違うルートにより移動。P5は千丈沢・P6は天上沢・P7は千丈沢側を巻いた。P5〜P6の間に懸垂下降が一回必要な場所あり。つまり、ルート図とは左右逆のコースをとった。冬合宿の本番でも今回のコースを取る予定。北鎌のコルはV4一張りが限界。冬の本番では全体で、登攀で三か所・懸垂で一か所ロープが必要になりそうな場面があった。

 

10月27日(木)晴れ

 

北鎌のコルCS408000912P809281206独標を超えた稜線上12301540北鎌平CS5

 

朝方、飯田の腹痛の為停滞を決めるものの、時間がたつにつれて回復してきたので行動を開始する。P8までに3か所ほど幕営に好立地な場所があった。なかでもP8のピークは広くて安定していた。独標基部のテント場は事前調査よりも安定しており、V8が2張ほど張れるスペースがあった。独標を超えた稜線上には二か所ほどテント場があったが、あまり安定はしていなかった。緊急時の使用と考えた方がよさそうだ。稜線上には一か所懸垂下降をする場面があった。雪の付き具合によってはその他に懸垂二か所・登攀三か所。計五か所ほどロープが必要になりそうな場面があった。

 

10月28日(金)

 

0500北鎌平CS5〜0630槍ヶ岳頂上07100737槍ヶ岳山荘07500822千丈乗り越し08320938奥丸山分岐09581027槍平小屋10561345滝谷非難小屋11501245白出沢出合12551430新穂高温泉

 

頂上直下の登攀は思っていたよりも渋くはない。最後のビレイは頂上の祠を使用した。

頂上で朝日を浴びつつ写真撮影をしたのち、下降を開始する。中崎尾根自体は本番の冬においても特に問題はなさそうであった。それと引き換えに槍平小屋から白出沢出合までの登山道やその地形は、事前調査通り雪崩の巣といった印象をもった。本番では気の抜けない行動となるであろう。

 

 

総括

今回の山行は天気を上手く読んだ山行であった。焦らずに予備日を使い、天気を読み、核心部分では安全な行動を取れた。冬合宿の本番においても、焦らずに槍の頂を目指したい。そして何よりも、今回の北鎌を成功出来てほっと一息つけた。というのがメンバー全員の心境であると思う。今回の秋山合宿は、冬合宿の北鎌尾根制覇に向けての重要な一歩であり、秋山合宿の北鎌成功無くしては冬合宿の北鎌尾根制覇はありえない。そんなプレッシャーの中の秋山合宿であった。久びさに清々しい気持ちで山行を終える事が出来た。

今後、冬に向けての準備としては、一、北鎌尾根のルート図を新しく作成。二、テント場の把握。三、ロープワークの向上。といった所だろう。残り少ない山行を上手に使い、各々の欠点の改善・準備に取り掛かりたい。

 

↑ 湯俣にて

↑ 湯俣山荘先の徒渉開始のつり橋

↑ 青空と裏銀座の稜線 

↑ 尾根を振り返る 

↑ 独標のトラバース1

↑ 独標トラバース2:槍側から振り返る

↑ 稜線に戻り槍ヶ岳

↑ P12付近を振り返る

↑ 北鎌平手前

↑ 祠で支点を取る

↑ 山頂にて集合写真 

↑ 朝日と表銀座