2010年度冬合宿報告書
日本大学山岳部
場所)北アルプス南部 合戦尾根〜燕岳〜大天井岳〜常念岳〜蝶ヶ岳〜長塀尾根〜上高地
期日)平成22年12月27日(月)〜平成23年1月4日(火)
メンバー)3年CL高木
2年SL飯田
1年 関、横山
行動)
12月27日(月)移動日
17:50新宿〜(高速バス)〜21:02松本駅22:17〜(大糸線)〜22:44穂高駅
12月28日(火)入山日 晴れのち雪
3:50穂高駅〜(タクシー)〜4:30宮城ゲート〜中房温泉CS1
9:20
穂高駅からタクシーでゲートまで移動。ゲートからの車道には雪が積もっておらず、所々が凍結している程度だった。横山が遅れることがあったが、合宿初日ということでしっかり歩けている。中房温泉に着くのが遅れてしまったため、合戦小屋には行かないことにした。夕方から雪が降ってきた。
12月29日(水)雪
4:30中房温泉〜8:00第二ベンチ〜12:00合戦小屋〜燕山荘CS2 15:00
雪が少し積もっている。ラッセルしっぱなしだと思っていた登山道にはトレースがあり、歩くのに苦労しない。それにしても登山者が結構いることに驚いてしまう。飯田と横山の間隔が開いてしまうことがある。トップの飯田は後ろを確認する癖をつけることが今後の課題である。合戦小屋に着く頃には雪が本降りになってきた。燕山荘に着き、すこし山荘で休んでから設営を行い防風壁をつくった。
12月30日(木)吹雪
停滞
風強く視界不良。とても行動できる天気ではない。
12月31日(金)吹雪
停滞
寒さに耐える大晦日。紅白歌合戦に酔いしれた。
1月1日(土)雪のち曇り
停滞
Happy New Year!
1月2日(火)晴れ
6:00燕山荘CS2〜8:00蛙岩〜9:30大下り〜大天荘CS3 16:00
テントが凍っており撤収に苦労した。稜線上はクラストしているので1年生を慎重に歩かせる。蛙岩にはご丁寧に冬ルートと書かれた道がある。それは岩の空洞を通っていくルートだが自分たちのザックでは突っ掛かってしまい通ることができない。また、東側は切れていて危険。通るなら若干西側に岩を巻いて行くしかない。ここで注意しなくてはいけないのはこのルートでは最後に2m程の段差がある。自分たちはここでザックを下に落とし(稜線から落ちてザックが無くなるという心配はない)て、スリングを使って下りるという方法で通過した。大下りの下りと登り返しは結構きつい。
大天井通過のポイントは雪崩に注意するために夏道を使わないことである。あとは尾根上の傾斜がかなりキツイ。冬の大天井を登る時にはロープでの確保が必要であると意識していくべきだ。スピードを意識してロープを出さないということは絶対に考えてはいけない。夏道には雪崩れた跡がすでにあった。
冬季小屋には先客がいたので、大天荘の脇でテントを張った。
1月3日(水)晴れ
6:00大天荘CS3〜8:00東天井岳〜10:00常念小屋〜12:00常念岳〜2512m先CS4 13:00
今日も快晴で清々しい。停滞続きで食糧が減った分荷物が軽くなったのでサクサク進めた。関、横山は疲れはあるものの十分元気で、この2人が上級生になったらより充実した山行が出来るなとか思いつつ歩いていた。常念岳を過ぎた所から樹林帯になる。樹林帯手前の2512m付近で本日の行動を終了する。
1月4日(木)晴れのち雪
6:002512m先CS4〜9:30蝶ヶ岳〜12:00徳澤〜14:00上高地〜中の湯15:50
樹林帯はワカンを着けての行動となった。この日も快晴で槍がきれいに望むことができ一同感激。蝶槍の登りは地味にきつい。秋合宿では踏むことが出来なかった蝶ヶ岳を登頂。ここまで来たら後は下るだけだ。長塀尾根にはしっかりとトレースがあるので、ありがたく使わせて頂く。今日下山することを決め、中の湯まで行くことにした。
総括
私が山岳部に入部して冬合宿の縦走としては今回が2回目である。1度目は私が1年生のときの中崎尾根からの槍ヶ岳登頂である。まだその時は上級生に連れて行かれているという感じはあったものの、冬の槍ヶ岳に登頂できたことが素直に嬉しく感激したのを覚えている。そして今回はその時よりも長い合宿であり、不安もあったが無事やり遂げることができた。
今合宿は今までにない悪天候であり厳しいものとなったが、自分たちが手にした収穫は多い。部員、特に1年生の精神力が強いことを再度確認することができた。天候が悪い中、関と横山は弱音を吐かず、むしろその状況を楽しんでいるようだった。まだ1年生である彼らを見ていると、こいつらが上級生になったらすごい山行が出来るなと思う。これからも頑張って欲しい。2年の飯田は下級生に対して、良く指示をしており自分の役割を理解していると感じた。トップとしては後ろを振り返って隊を見ることが出来るようになれば良いだろう。
良い形でこれからの合宿を行うために改善しなければならない反省もあった。改善する所は改善して、今後の合宿に向けて頑張って行こう。
以上