2009年度初冬合宿報告書

日本大学山岳部 主将 船田良

 

山域:北アルプス 八方尾根 八方池〜扇雪渓

期間:平成211122日(日)〜1126日(木)

メンバー:船田・高木・飯田・勝又・下鶴・高橋・山浦

 

記録

1123日(月)実働1日目 天気 快晴

 900兎平〜1100八方池山荘〜1230八方池BC

1330ビーコン捜索〜1500ツェルト搬送〜1530帰幕

 前日は手違いで信濃大町駅にステビバとなったが、今日は予定通り800にゴンドラに乗ることができた。今年は雪が少ない。例年なら晴れていても道路脇に除雪された雪が残っているが、今年は全くない。兎平には15pの積雪がある。という表現をしていいものか悩むほど、雪山にやってきたという印象が薄い。

 兎平からはリフト2本分をアイゼンで歩かせる。雲ひとつない空模様で皆、薄着になる。アイゼン歩行のポイントを教えながら、各々のスピードで歩かせる。下鶴と山浦のスピードが出ない。特に下鶴には冬山でスピードを期待しているだけに不安となる。

 山荘からも雪は少なく、脛が潜ることさえほとんどない。凍った八方池の隣にテントを張り、雪訓をして一日が終わった。

 

1124日(火)実働2日目 天気 晴れ

 625BC発〜810扇雪渓着〜820歩行訓練開始〜910ロープワーク〜

1220ゾンデ・ビーコン捜索〜1330扇雪渓発〜1400BC周辺にて雪崩埋没訓練〜

1450帰幕

 朝食が遅れ、準備も遅れたため、予定の600には出発できなかった。扇雪渓周辺でも時間がかかり、30分遅れの雪訓開始となった。扇雪渓の雪は連日の日射でまるで春山のようである。高木の都合で今日は予定を変更し、ロープワークをメインに行うことにした。晴れなのでグローブの操作性によって目立って時間がかかる者はいなかったが、そもそもロープワークができていないものが若干2名ほどいて呆れてしまった。来年度以降の部員に彼らを任せることにした。

夕方から曇り空となり、夜中からみぞれとなった。

 

 

 

 

 

 

1125日(水)実働3日目 天気 雨のち晴れ

500BC700丸山〜740扇雪渓(歩行訓練)〜850扇雪渓発〜930BC着〜

1030BC発〜1110八方池山荘CS11451245八方池を往復)

 昨日のみぞれは雨となり600まで降っていた。寒いというより冷たい。扇雪渓の雪が冬山の訓練に適していなかったため、今日は雪渓からすぐの丸山まで列になって歩かせた。丸山に近づくと横風が吹き、それなりに寒い。雪渓に戻り、ワカンで歩行訓練させてから、山荘へ下った。温かい飲み物を飲み、高木と別れたのち、天気が良かったため、空荷で八方池まで往復させる。終わってみるとスパッツを破いている1年がいる。

 

1126日(木)実働4日目 天気 晴れ

CS630900八方池を往復×2)〜1000兎平

撤収を済ませ、今日も天気がよかったので八方池を往復させる。高橋・下鶴・山浦・飯田・勝俣という順で早く、歩き方では勝俣・山浦がツートップで悪い。昨日スパッツを破ったおかげで、今日は誰も破いていなかった。呼吸を整えてから下山を開始した。山荘から尾根を下るにしたがい雪は少なくなり、兎平周辺はほとんど地面が表れていた。

今年の初冬合宿は訓練自体を行うことはできたが、冬山の意識を強烈に与えられなかったことに不安を覚えつつ帰京となった。