2008年  北海道 大雪山系

期間: 平成20年8月27日〜9月9日

場所: 北海道 大雪山系 天人峡〜クワンナイ川遡行〜化雲岳〜天人峡〜旭岳〜白雲岳〜トムラウシ岳〜トムラウシ温泉
メンバー: L設楽(3)SL船田(3)、高木(1)

827日(水)雨

羽田空港〜旭川空港〜旭川駅〜天人峡駐車場

空港に集合し、飛行機に乗り込んだ。旭川は雨だとアナウンスしている。天気予報で悪いのは知っていたが、遡行できるだろうか不安である。旭川でガスを調達し、天人峡へ向かう。全員バス内で爆睡している。気づいてみると様子がおかしい。戻っているような…?慌ててバスを降りるが、7km程歩く羽目になった。この時設楽がバスに貴重品を忘れる。バス停の小屋に寝泊りさせてもらう。天人峡のホテルに縦走装備を置かせて頂いた。

8
28日(木)曇り時々晴れ

停滞

バス会社と連絡がつき、忘れ物を持ってきて頂く事になった。今日は動けないので本を読んだり、釣りをしたりリラックスに努める。ここでは流石に魚は釣れなかった。

829日(金)雨

停滞

朝から雨が強い。とりあえず朝食を食べるが、雷も鳴っている。増水の危険が高いので、今日も停滞し、明日に望みを託す。11時頃設楽と船田でポンクワウンナイ川出合まで偵察に出た。それほど増水はしていないように見え、遡行可能な水量である。明日それほど雨が強くなければ、遡行は可能だろう。

830日(土)天候 雨

500天人峡駐車場〜520ポンクワウンナイ川出合〜1330化雲沢出合CS

 雨が降っているが、強さは昨日の昼ぐらいと変わらず、この状態では前日も増水していなかったので遡行を開始する。アプローチシューズでポンクワウンナイ川出合まで行き、様子を伺う。河原を歩く時間が長そうなので靴はそのまま進む。雨と霧で視界が利かず、現在位置が特定しづらい。やはり水量が多いのか、設楽が突破した後ザイルを出す場面もあった。天場は快適で、オショロコマも想像以上に簡単に釣れた。船田は糸だけで面白いように釣り上げる。煮魚にして食べたが、味がイマイチだったせいか全員微妙にテンションが低い。

831日(日)天候 晴れ

550化雲沢出合CS1700魚止の滝〜910奥の二股〜1130稜線上〜1300ヒサゴ沼CS2

 晴れである!オショロコマの炊き込みご飯で腹ごしらえをし、出発。滝ノ瀬十三丁は非常に面白く、不思議な場所だった。ハング滝は右岸の巻き道にロープが垂らされており、問題無かった。奥の二股を巻くと、静かな沢に変わった。沢が終わって稜線に出るまでは、本州に無い独特な風景が広がっていた。わりと早い時間にヒサゴ沼に着き、のんびり過ごす。 

91日(月)天候 曇りのち晴れ

600ヒサゴ沼CS1700化雲岳〜930第一公園〜1230天人峡駐車場

1ピッチで化雲岳に着いた。旭岳方面が良くみえる。今日の行程も少し見えた。率直に言って山がでかく距離が長い。第二公園のあたりから登山道が水没している。悪い道だが水平なのでペースは悪くない。第一公園から少し下ったところで設楽が左膝の痛みを訴えた。少し隊を止めて、その後ペースを落として歩く。天人峡で風呂に入り、設楽は湿布を張った上から包帯を巻いた。 

92日(火)天候 雨のち晴れ

500天人峡駐車場発〜650天人峡駐車場

雨の中出発する。登りだしから高木のペースが上がらない。そろそろ1本しようかなと考えていると、高木が膝の痛みが激しいと言ってきた。安定した所で止めて、とりあえず落ち着かせる。荷物が無い状態でも痛みがかなり出るので、エスケープする事に決定した。荷物を抜いて来た道を戻る。駐車場に着くと晴れてきた。設楽の膝も状態が悪く、二人とも少し休めば良くなるものでもないので、一度下山して診察を受けた。症状は膝周辺の炎症で、飲み薬と塗り薬を処方してもらった。行動中はストレッチとアイシングを行い、下山後は休養期間を設けるようにと言われた。 

97日(日)天候 雨

600旭岳ロープウェイ下CS1640姿見駅〜830旭岳〜1015北海岳〜

1130白雲岳キャンプ場CS2

 小雨と霧で展望ゼロ。何となく歩くうちに姿見平は終わった。旭岳まで淡々と尾根を上がって行くと、旭岳に着いた。御鉢平では少し霧が晴れて景色が見渡せる場面もあった。白雲岳キャンプ場で早々にテントを張ると、いきなり雨が強くなってきた。天気が良ければいい景色だろうに、と想像していると、雲が晴れて夏の終わりの夕暮れが見えた。  

98日(月)天候 晴れ

515白雲岳キャンプ場CS2755忠別岳〜930五色岳〜1140天沼着〜

1220天沼発〜1345トムラウシ山〜1420南沼CS3

 寝坊で出発が遅れた。ペースは非常に良い。天気も良く、とても気持ちいい。天沼手前で高木のペースが落ちてきた。膝の状態が良くないので、水で冷やしながらコーヒーを飲んでのんびりする。一気にトムラウシまで上がり、十勝岳方面を望む。なかなかタフそうなコースである。下りで設楽も膝の痛みを訴え始め、ゆっくり降りる。 

99日(火) 天候 晴れ

450南沼CS3550前トム平〜1100トムラウシ温泉

 テントを出ると異様に寒かった。今日のコースは霧が出ていなければ迷う事もなく、ただ降りるのみである。ペースが良すぎるので自分の膝も心配だし、高木の状態が悪化しないか心配だったが、なんとか最後まで歩けた。トムラウシ温泉は良い風呂だった。 

総括

 今回の山行は万全の状態で臨む事ができなかった。山行が連続しても問題無く遂行出来る能力が無かった。夏休みに入るまでの過程を各々が見つめ直し、改めるべきを改め、欠けているものを自覚し、正面から向き合う必要があると感じている。また、ミスが出た時にそれを帳消しにする、あるいは最小限に食い止める為の工夫や努力、姿勢といったものが足りない。これからはよりシビアな環境に向かうが、人間側が隙だらけでは話にならない。危機感が必要である。

 北海道を楽しもうというコンセプトで作った計画だけに、問題が出てバタバタしてしまったのは個人的にも悔しい。しかし、沢はとても楽しかったし、北海道独特の雰囲気を感じる事ができて良かったと思う。有意義な時間だったと胸を張って言えるようにしたい。

文責:設楽 琢麿