2008年  夏合宿 北アルプス 剣沢定着〜後半縦走

期間: 平成20年7月29日〜8月10日

場所: 北アルプス  剣沢定着〜仙人温泉〜阿曽原温泉〜祖母谷温泉〜唐松岳〜遠見尾根

730日(水) 入山日  天候 晴れ

815室堂〜1130剣御前小舎〜1210剱沢キャンプ場BC

 ケーブルカーが満員で予定より1本分遅れての室堂到着となった。日差しはあるが例年よりは涼しく感じる。高木のペースが上がらず、こまめに休憩を入れながら進んだ。テントを設営した後にザイルワークを確認した。 

731日(木) 雪上訓練日 天候 晴れのちガス

405剱沢キャンプ場BC630内蔵助カール着、訓練開始〜1300訓練終了〜1500剱沢キャンプ場BC

 高木の準備が遅く、出発が予定より遅れてしまった。1時間で別山まで上がった。巻き道は落石の為か通行禁止になっている。稜線の一番低い部分からカールに下り、傾斜の無い所にバケツを掘って訓練を開始する。予定より早く到着できたので、まず雪が硬いうちに直登・直下降を1時間行った。ザイルワークは初夏よりはスムーズに出来ている。高木のメニューが終わった後、設楽も全ての型を行う。ジッヘルは高木の形がなかなか良くならない。回転する際にピッケルが体から離れてしまう。何回も滑るうちに少しずつ修正できていた。8の字もキックが甘い、上方確認を忘れるなどが出てしまった。1300に撤収して戻り始めると、小雨が落ちてきた。帰路の高木はだいぶお疲れの様子である。 

81日(金) Cフェース剣稜会ルート登攀 天候 晴れ

430剱沢キャンプ場BC730熊の岩下部〜830登攀開始〜1140登攀終了〜1300五・六のコル〜1510剱沢キャンプ場

 長次郎出合までは順調に進むが、登りに時間がかかった。取り付きには2パーティーおり、準備しながら30分弱待った。天気は非常に良い。2P目は途中で切ったので、都合5Pで頭に出た。コルへの下降は向かって左の道から行けると考えたが、三ノ窓側に寄り過ぎてしまった。戻ってから右に進み、懸垂下降を2回してコルに下りた。高木は長次郎谷の下降で苦戦していた。 

82日(土) 源次郎尾根 天候 晴れのち曇り

425剱沢キャンプ場BC520源次郎尾根取り付き〜820T峰〜1010剱岳〜1330剱沢キャンプ場BC

 手際良く準備を終え出発した。取り付きで早稲田と会った。先に準備を終えたので先行する。2回目なのでルーファイにあまり時間を割かなくて済んでいる分、スムーズに進んでいる。ザイルや細引きはその分、余裕を持って使えた。懸垂下降を終え本峰までの登りに入るころには、雲が増えてガスがかかっている山域も出てきた。頂上では新しい祠の設置作業が行われていた。下りは鎖にFIXして焦らず下降していく。テントに着くとさすがに疲れがあり、16時まで昼寝した。 

83日(日) 奥大日岳往復 天候 晴れ

530剱沢キャンプ場BC830奥大日岳〜1115剱沢キャンプ場BC

 予定より1時間遅らせて出発した。今日は風が強い。別山乗越から鵜原コーチはBCに戻り、我々は読図こまめに行いながら進む。何回か行ううちに、高木は少しずつ読図の仕方を理解してきたようである。奥大日岳手前でシーバー交信を試みるが、つながらなかった。新室堂乗越に鵜原コーチが来ており、今日下山するとの事。お礼を言ってBCに向かう。予定通り早くBCに着いたので、洗濯や昼寝をして明日に備える。 

84日(月) 縦走1日目 天候 雷雨のち曇り

410剱沢キャンプ場BC630真砂沢CS1

 昨日の夜から雨が降っている。起きてみるとガスが非常に濃いので、視界が多少は利くようになってから出発した。雪渓手前で明るくなりガスも取れてきたが、長次郎出合付近で雨脚が強まる。天候と行程を考えると今日は難しいと感じ、真砂沢で話し合って行動を打ち切る。設営を始めると雷鳴も聞こえてきた。1100頃になると雨も次第に止み始めてきた。 

85日(火) 縦走2日目 天候 晴れ

350真砂沢ロッジCS1520二股吊橋〜830仙人峠〜1130仙人温泉CS2

 暗い中での出発だったので、足元に神経を使う。仙人峠への登りは思ったより良くない。峠まであと少しの所で高木のペースが急激に落ちてしまい、装備を少し抜いて歩く。下りは始め雪渓で、左右に道が現れていたり、また雪渓を下ったりでルートがはっきりしない。仙人温泉手前で下部にルートがあるか偵察に出た。落石やシュルンドもあり怖い場所だった。登山道もかなり険しく、加えて風も無くかなりの暑さである。仙人温泉に着くころにはかなり消耗してしまった。阿曽原まで行動するのは無理だと判断し、仙人温泉で行動を終了する。 

86日(水) 縦走3日目 天候 晴れ

500仙人温泉CS2910仙人谷ダム〜1050阿曽原温泉CS3

 高木のパッキングが遅い。雲切新道はロープが設置されている箇所が非常に多かった。足元は木の根や植生が多く、ナイフリッジ状の箇所もあり集中力を要する。ダム内は見ているだけで非常に楽しい場所だった。少し登り返してから水平歩道が始まり、阿曽原温泉に着いた。あわよくば欅平までと目論んでいたが、無理せずここで終了とする。 

87日(木) 縦走4日目 天候 晴れ

420阿曽原温泉CS3730志合谷〜1015欅平〜1130祖母谷温泉CS4

 素早く撤収を終え出発する。折尾谷で水を補給した。志合谷のトンネルは背が低く通過に苦労した。水平歩道は全体として整備はされているが、谷側が切れているので常に緊張を強いられる。欅平から祖母谷温泉は暑くてバテバテだった。 

88日(金) 休養日 天候 晴れ

200に一度起きるが、前日から設楽の膝の状態が良くなく、二人共疲労が溜まっている。今日も暑くなるのは空を見ても明らかであり、休んで明日行動する事にした。700に朝食を食べ、のんびり河原で昼寝した。 

89日(土) 縦走5日目 天候 晴れ

340祖母谷温泉CS4700南越峠〜730餓鬼の田圃〜1020餓鬼山〜1155大黒銅山跡〜1600唐松岳頂上山荘CS5

 起きると綺麗な星空だった。今日も暑くなりそうだ。南越峠までは沢沿いの作業道を歩く感じで、やはり歩き易くはない。餓鬼山手前は梯子が連続しており、倒木をくぐり抜けたりザレ場をロープ頼りに上がったりと、少ししんどい。大黒銅山跡から水場に下り、それぞれ水を2ℓ汲んだ。これまでに二人でおよそ8ℓ飲んだ。広い所なのでテントを張りたくなってしまう。気合を入れて最後の登りに入る。山荘が見え、あと一息で行けると思ってからが長かった。トラバースは状態が悪く、通過にかなり費やす。 

8月10日(日) 縦走6日目 天候 晴れ

430唐松岳頂上山荘CS5500唐松岳〜755白岳〜950大遠見山〜1020中遠見山〜1300アルプスだいら

 撤収した後荷物を置いて唐松岳に向かう。頂上で朝日を眺め、下山を開始した。出だしの鎖場は風の影響で体が冷えているので、慎重に通過する。白岳から五竜岳や鹿島槍ヶ岳を眺めたあと、遠見尾根の下降に移る。この尾根は登山者が非常に多かった。順調に進むが中遠見山を過ぎた地点で、高木が木の根に足を引っ掛けて転倒した。かなり派手に転んだので状態を聞いてみると、左足首を捻ったかもしれないが痛みは無い、と返答した。100m程歩いてみると、やはり痛むらしい。靴を脱ぐと腫れ始めていた。湿布を貼った上からテーピングをし、装備は設楽が持った。登りと平坦な場所では痛みが無いらしいが、これからずっと下りである。始め設楽がザックを二個持って歩いたが、階段が始まりバランスに不安を覚えたので、設楽は往復して荷物を下ろす事にした。アルプスだいらに着いた時はさすがに疲れ果てた。

文責:設楽 琢麿